ぱんつのおかず


「…玉木くんて、少女マンガから出てきたようなお人やなぁ」

「少女マンガ?」

「うん、読んだことある?」

「いや…?多分ないかな」

「ほな、今度貸すな!よかったら!!ウチもそんな持ってないねんけど、玉木くんみたいな人、が……」



玉木くんに、ジィッて見上げられて、ドキッとした。



しゃべるんやめて、口閉じる。



まわりが、シィン、てして。



聞こえるんは、運動部の整理体操のかけ声だけや。




…なんやろ。なんか、緊張して。




ゴクッて、ツバ飲み込んだ、ウチ。



ウチを見たまま、口を開く、玉木くん。




「藤田さんは、そういう恋愛がしたいん?」

「そういう…?」

「さっき言うとった。マンガ、みたいな」




な、なんでそんなん聞くんやろか。


ちょっと焦ったかんじで、コクコクうなずく。


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