ぱんつのおかず
重低音並みに、低い声。足元に釘付けやった視線を、上に戻す。
そこには、仏さまには程遠い、ハゲの悪霊。
…セッチがおった。
「――セッ!?」
部活の、体操着姿のまま、息切らすセッチ。
なんで、ここにおるん。この場面で出てくるん。
ただでさえフリーズしとるのに、これ以上固まるとこなく固まったウチのほうに、ズンズン。
セッチが、向かってきて。ガッ!て、ウチの手ぇ引っぱって。
玉木くんから引き剥がして、めっちゃデカい声で、言い捨てた。
「~おれのカノジョじゃボケ!!」
ハア!?とか、エエ!?とか。
言っとるヒマ、なかった。そのままセッチに引っぱっていかれた、ウチ。
そんで混乱したまま、どこかわからん教室に、放り込まれた。
え。え。ちょっと待って。せっかくさっきはいたのに、スリッパどっか落としてきたし。片っぽないし。
…それよりも前に、おれの彼女、て。