ぱんつのおかず


「~セッ、」
「イヤや。さわらせんな」




口元が、セッチの体に埋まって、息ができへん。




「…ほかのヤツに、さわらせんな」

「っ、セ、チ、あの…苦し…っ」

「見えとってんて。グラウンドから、アイツとこふじが、教室残っとるん。それだけでもイヤやったのに」




ギュウウ、て、よけい力込められて。


真空パックみたいなってる、ウチ。




「う、息……っ、いき…」

「さわらせんな。あ…足!スリッパとか……こ、告白、とかっ!されてんなアホっ、なんで――」




やっと、すこしだけ体はなしたセッチ。



もうヤバイで~ていうくらいしぼんどった肺に、空気が入る。




息整えて、顔上げたら、目ぇ合って。



そしたらセッチが、泣きそうなんと怒ったんと、イロイロごちゃまぜの顔して。





「なんで、お前…おれ以外にばっか、笑うねん」





そんなこと、言うから。




「………」




なにも返せんで、だまってしもた。



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