ぱんつのおかず
気ぃぬいとったら、また大くしゃみのお出ましや。
こんなん連発しとったら、今日の終わりくらいに、肺痛なるかもしれん。
あー……にしても、鼻つまったらアタマボーッとすんな。気持ち悪い。
「古町くん」
絶賛ボケーっとしとるとこに、太い声。
鼻水すすって見てみたら、柔道部の剛田がおった。
この前、体育でピッチャー任されとったヤツや。
保健室送りんなったから、投げるとこ、まったく見れてないけどな。
「……なんや」
ぬぼーっと上から見下ろされて、気ぃ悪なる。
見た目ピッタリの低い声で、剛田が言うてった。
「くしゃみする時は、口にちゃんと手ぇ当ててほしい」
「…は?……ああ…でも剛田おまえ、おれの前の席なわけちゃうやんけ」
「いや、あかん。咳だけでも、数メートル菌が飛ぶねん。前だけちゃう。後ろにもやで。くしゃみなんかもっと威力が…」
「あ~もうわかった!わかったって!!」