ぱんつのおかず

相変わらず、塗りかべみたいにつっ立って、見下ろしてくる剛田。なんやねん。


図体デカいくせに、いちいち細かいねんて。はよ、去れ。



「古町くん」

「……」

「古町くん」

「……なんや。今度はちゃんと手ぇ当てるから、文句ないやろ」



にらんだら、ヌーって。


ふっとい指で、教室の出口さして、剛田が言うた。



「お客さんが、来とる」

「……は?」



お客さん、て。


お前のトモダチかいな。ゴリラの仲間か。


剛田の指の先たどって、しぶしぶ。


出口のほうに顔、向けてみたら。



「……っ!?」



びっくりして、思わず立ったでな。


イス、かろうじて倒れんかったけど。


3組のドアから、ひょこって出とる。おなじみの、黒い頭。



「…こふじ」



…なんで、お前、おれのクラス来とんねん。


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