ぱんつのおかず


「もうええ。勝手にせえ」

「え!?セッチ……っ」




パッて、ウチに背中むけたセッチ。


その後ろ姿に向かって、あわてて声かけたけど。



セッチはどんどん、歩いていってもて。




「……っ、」




置いてけぼりになったウチは、ボーゼン。


棒みたいになって、立っとった。




…うそ。


うそ。帰ってまうわけ?



え、ほんまに?ほんまのほんまに?




ウチがつっ立っとる間に、見えんくなってもたセッチの背中。



…どうやらウチはほんまに、置いて行かれたらしい。



なに。なんなん。ハハッ。置き去りやて。全然笑えへん。




「なによ……」




かかってきた電話に出たくらいで、怒って帰ってまうことないやんか。



自分の思い通りに行かんかったらスネるとか、ほんま子どもやん。



小学生以下。幼稚園児か。黄色い帽子かぶっとけアホ。



< 199 / 400 >

この作品をシェア

pagetop