ぱんつのおかず


「峰子ちゃんと出かけるの、楽しみにしすぎてな。昨日、ぜんっぜん寝れてないねん。お兄ちゃん」

「……え」




ぜんぜん、寝れてない…?




「な?遠足前の小学生みたいやろ?」

「………」

「もうあたし、おもしろくて朝からさんっざんバカにしたおしてなぁ―――」




小雪ちゃんはまだしゃべり続けとったけど、ウチの頭はさっきのセリフで、固まっとった。



ポッカー、て。


映画んとき、見事に口あけて爆睡しとったセッチを、思い出す。



…全然、寝れてないって。


楽しみすぎて、寝れてないって。




「………うそ」




うそ。


うそ、なんで。



セッチ今日のこと、そんなに楽しみにしとったん?



だってウチ、そんなの知らんし。



寝てたこと怒ったら、「いつ目閉じようが人の勝手や」とか、悪態ついてたやんか。


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