ぱんつのおかず


心臓が。


ギュウウてなるんと、ノドが。



空気をうまく飲みこめんくなるのは、どっちが早かったんか。



気がついたら、ウチの手は、セッチの頭にあって。



…ふわ、て、触れとった。



手のひらに当たる髪の毛の感触で、自分がなにしとるんか、はじめて気づく。




変や。ウチ。


セッチも、ウチも、今日は変や。




自分の顔が、どんなんになっとるか。今のウチには、想像もつかんくて。



セッチの髪の毛をすべらせた、指先。聞こえんように、ため息をはいた。




自分で思ってたこと。


これは、自分に言い聞かせてたこと。



セッチはセッチで、

ウチはウチやって。



16年間。そんな長い時間、変わらんかったことやって。



これからも、変わらへんって。


そのままなんやって。



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