ぱんつのおかず


真夏の太陽が一点集中したみたいに、顔が熱くなっとるのは、事実で。




「ドキドキする、とか言うといて、逃げんな」

「………っ、」

「おれかて死にそうなくらい、ドキドキしとるわ」




そらしたいけど、見てしもて。



逃げたいけど、逃げられんくて。




手が、うまく、離れんくって。




「……こふじ」




逃げ遅れたウチの手を、ゆっくり、セッチがつかむ。



そんでゆっくり、誘導されて。



セッチの口が、そっと触れるから。




「……っ」




また、指がはねる。息のリズムが、完全に狂う。




「なあ、なんもせん…って、約束するから」




指に直接、そそぎこまれるみたいな。熱い息と、低い声。




「……これからも、部屋行ってええ?」

「………っ、」

「おれ、頑張ってもええ?」

「………う、」



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