ぱんつのおかず
✳︎✳︎


学校の授業、六時間分たっぷり受けて。


部活もして、そんで、家に帰ってきたけど、それでもまだ、不機嫌なんがなおらへんかった。


こふじに対して不機嫌っていうか。自分に対して。


コレって自己嫌悪、いうやつかいな。



…会ってもらわれへんし。無理やり会ったら会ったで悪い方向行くし。どないしたらええねん。わからん。



汗くさい制服ひきずって、自分の部屋に上がる。


ドア開けたら、赤やない。こげ茶っぽいカーテン。


明るめの色の木目やない。白い合成樹脂のテーブル。


ちょっと動くと頭ぶつけそうな、やない。じゅうぶん広い、木製のベッド。


当たり前や。ここ、こふじの部屋ちゃうし。おれのマイルームですし。



「……ハァ」



一人、ため息ついて、思う。


用事があるわけでもなく、閉め出されたわけでもなく。


…自分から行かへんのって、はじめてちゃうかな。


< 54 / 400 >

この作品をシェア

pagetop