ぱんつのおかず

見た目は、タテにもヨコにも巨大。味つけノリみたいな眉毛。


名前、剛田っていうねんけどな。


…うん、ゴリラ臭はんぱないやろ。



「雪生は、1番バッターな」



ほんで、なんでか知らんけど、野球部のヤツに指名された。



「…え、俺け」

「うん、お前やったらたぶん塁出れるし。走るんも早いやろ」



陸上部やし。って後付けされて、肩たたかれる。


…いや、たしかにそうやねんけど。


おれの専門、走りじゃないし。高跳びやし。


「陸上部やねん」言うたら、「え~っ!ほな足速いんやぁ~」って返って来る、みたいな認識。あれなんなん。



…まあ、べつにええけどな。はよ済んだ方が。



バット受け取って、バッターボックスに入る。


何年使いまわしてきとんやろ、キズまみれの金属バッド。


バッティングセンターとかも行かんし、こういうの久しぶりやな。


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