ぱんつのおかず
ほんで、ブンブン、バッド素振りしよったら。
「………え」
ビックリして、バット放してまうか思た。金属バッド飛ばしたら危ないでな。
ドーナツ並のまるさで、目ぇかっぴらく。
…いや。だってな。
ピッチャーとして相手チームから出てきたん、あのメガネやってんて。
え。メガネやとわからん?
…廊下でこふじのアタマさわっとったヤツやんけ!!
「玉木~!がんばれよーっ!」
4組のヤツらが、でっかい声はりあげた。
タマキ、言うんか。このいけ好かんメガネ。
メガネ野郎ことタマキは、えらいさわやかな顔で笑って、声に向かって手を上げとる。
その手が、あの、廊下でこふじに「じゃあ」とか言ってやがった光景と重なって、めっちゃイラッてした。
…よっしゃ。絶対打ったんねん。
もともとやる気なかったわけちゃうけど、一気に闘志に火ぃついた。