抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
駐車場に着いたものの、なかなか足が動かない…。
このまま、ここへ入っていいのか…。
私は…一体何をしたいんだろう…。
『どうしたの?』
純くんは心配そうな顔で私に話しかけた…。
『…。』
『…ほら。』
純くんが手を差しのべてくれる…。
『…うん。』
私は純くんの手を取り、車から降りた。
部屋に入ると、目に写ったのは大きなバルコニー。
私は、閉まっていたカーテンを思い切り開け、バルコニーへ出た。
外は真っ暗で何も見えない。
ただ、波の音だけが響いていた…。
『朝になれば海が見えるよ。明日は晴れるといいな…。』
純くんもバルコニーへ出てきた。
暫く2人で、真っ暗な闇の中、波の音を聞いていた…。
風に揺られて2人の首にかかったネックレスがカラカラと音を奏でていた…。
『風邪引くよ?』
『純くんは入ってて?私はまだここにいる。』
『暁がいるなら俺もいる。こうすれば、寒くないだろ?』
後ろからそっと抱きしめられた…。
私はその腕を掴み、腕から伝わる温もりを抱きしめていた…。
『暁…。』
『何?純くん。』
『…純って呼んでよ。』
『…えっ?』
『ほら?』
『じゅ…ん…。』
『はい、よくできました。そろそろ入ろうか。』
『うん、そうだね。』