20100228-Anniversary-
『あ・・・』


昼食後、映画館に向かっていると大輔君が何か思い出したような声。


『どうしたの?』


『いや、クーラーつけっぱなしかもと思って。』


『クーラー?』


『しくじった。親の仕送りだから無駄使いしないようにいつもなら止めてくるのに。』


正直、私も仕送りだけどそんなこと考えた事もなかったから目から鱗だった。


『・・・よし、戻ろう。』


そういうや否や、車をUターンさせる。


『え?それはありがたいけど・・・いいの?』


『親の仕送りを大切に使ってる大輔君を見習いたいし、私も気になるから。』


大輔君がこれ以上気にしないように明るく言うと


『でも、映画始まるよ?・・・じゃぁさ、レイトショーで行く?』


『・・・えっ?』


『あーでも陽菜さん帰るの遅くな『大丈夫。』


アクシデントとはいえ、少しでも長く一緒にいることが嬉しい。
大輔君の声を遮って大丈夫と言い張った。


映画館に行く時間まで大輔君の家で話して、カフェでケ-キ食べてゲ-ムセンタ-で遊んで・・・夜九時に映画館に到着。
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