20100228-Anniversary-



暫くして二人が帰ってきた。


『ごめん、陽菜ちゃん。ちょっと仕事場に行って来るから、ゆっくりして行ってね。』


そう言い残して浩輔母は仕事に出かけた。


紘子ちゃんは、気をきかせて愛犬の散歩に行った。


・・・とうとう二人になった。


『浩輔、別れよう。』


二人きりになった瞬間にいきなり切り出してみた。


『・・・なんで?』


浩輔は焦る素振りもなく冷静に質問してきた。


色々言いたいことあったけど、全部言ってたら未練がましいし女になってしまうことが嫌だったから全てをひっくるめた私の気持ちを・・・


『正直疲れた。』


この一言がぴったりだった。


浩輔は暫く無言で何かを考えていたが、溜息をついて


『疲れたって言われたらどうしようもないね。他の理由だったらまだ頑張れたけど、疲れたって言われたら頑張りようがないよ。』


寂しそうな表情をしながらじっと見つめられると思わず決心が鈍りそうになる。


・・・ここで、流されちゃ駄目だ。


『携帯に登録されてる私の番号アドレスは全部消して。』


『・・・・・。』


『写真は捨てきれないから、送るから浩輔が処分して。』


淡々と言う私に対して浩輔は何も答えない。
正直、もっと引き止めてくれるかと思ってたけど意外にもすんなり別れを受け入れてくれたから拍子抜け。

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