藍色の嵐
プロローグ
「ここか……私立洛藤(らくとう)高校」

目のまえには
国内でも有数の名門校がそびえたっていた

その外観は派手さこそないものの、
長い年月の重みが伝わってくるような
重厚なつくりをしている

校門から玄関までは桜が並び
満開に咲いて私たちを歓迎してくれている

ふと青空を見れば、
いきなり風が吹いて花びらが舞い散った

「うわっ」

髪を手で押さえた

瞬間ピンクの渦に巻き込まれる

ある意味幻想的なその風景

「っはぁ、桜の歓迎は手荒いな」

思わず私は苦笑してしまう

乱れた髪を整える

……………
「スー、ハー、」

胸一杯に息を吸えば、
春の匂いがした

なんだか……
「三年間、うまくいきそうだ」

そんな予感めいたモノが、
私の背中を後押ししてくれている気がした
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