藍色の嵐
藍色×出会い
私の名前は伊崎澪(いさきみお)

今日から高校一年生

ただいま朝ごはんを食べているわけだが……

「おいしい、姉さん?」

「…あぁ、うまい」

目の前のパジャマ男子は
私のおとうと伊崎葵(いさきあおい)

なにがそんなに楽しいのか、
満面の笑みでこちらを見ている

この朝ごはんを作ったのも葵だ

私が作ろうと言ったら
青い顔をして止められた

『ね、姉さんが作ると魔界の食べ物になっちゃうからね……(汗)』

失礼な!!

ただちょっと黒くなって!
ただちょっとビリビリして!
ただちょっと匂いがするだけだ!

ぐいっと一気にお味噌汁を飲み干す

わが弟ながら料理は達人級だと思う

そこもなんだか悔しかった

「ごちそうさま」

「お粗末さま」

「…葵、私はそろそろ家を出るが、お前着替えなくていいのか?」

「姉さんもう行っちゃうの!?」

「あぁ、入学そうそう遅刻してはたまらんからな」

ハミガキをしながら私はモゴモゴと返事をする

「え、ちょ、待っ……!!」

台所のほうから焦った葵の声がしたが、
無視して玄関へと向かった

靴を履いてカバンを肩にかけた

くるりと振り返って

「じゃあ葵、行ってくる」

「待って待って!!まだ家出るには早いでしょ?」

瞬間葵が玄関に飛びだしてきた

パジャマのままで


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