あの花が咲く前に③





「私・・・。

 いえ。いいの。

 またの機会にしなくちゃ。

 今は つつじが最優先。」


「いいのか?」


「ええ。いいの。

 こうして 空斗が

 追いかけてきてくれただけで

 ・・・もうそれで

 十分だから。」


「・・・。

 わかった。詠がそう言うなら

 俺もそうする。

 つつじが最優先。

 でも・・・。

 どうすりゃいい?

 俺は 誰も失いたくない。

 みんな友達だ。」


「そうね。

 どうすれば・・・セリアの

 いえ。霜山家の気持ちを

 変えられるかね。」


「・・・。」




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