あの日、言いたかったこと。

次の日。

俺がようやく最後の補習を終えて学校から帰ろうとしている時のことだった。


俺は前方に明るい栗色の髪をした高校生を見つけた。

あれは……。


あの後ろ姿からもイケメンオーラを放ってるアイツは……


その時、前にいたそいつがおもむろに振り返った。


「あ……」


目が合うとそいつは少し驚いた顔をしたが、フッと口元を緩めた。


「ストーカーか」

「ちげぇよ。
帰る方向が一緒なんだよ」


家……割と近いし。


「つーか……何で最近、よくお前に会うかなぁ……」


ちょっと前まではこんなことなかったのに。

学校で時々見かけるぐらいで。

それなのに……。


あの日が近づくにつれて……悠斗に会う機会が多くなってる気がする。

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