社内恋愛のススメ
既に動き出している、このプロジェクト。
店内改装の準備は、整いつつある。
後は、専任の担当者を決めるだけだ。
「プロジェクトは、もう始まっている。だが、うちの企画部が抱える案件は、これだけじゃない。」
深刻そうな表情で、部長が眉間にシワを寄せる。
部長の言葉は、ごもっとも。
企画部の仕事は、他にも山ほどあるのが現状。
他の部署とも連携して、合同で進めているこのプロジェクト。
うちの企画部から出せる人員は、そう多くはない。
「そこで、今日、担当者を決めようと思う。」
あぁ、やっぱり。
予想通りの部長の言葉。
「誰か、立候補者はいないか?」
部長がそう言い放って、会議室が一気にシーンとなった。
静まり返る会議室。
何の言葉もない。
会話もない。
物音1つしない中で、考える。
てっきり、部長が何人か選ぶのだとばかり思っていた。
けれど、まさか、立候補者を募るなんて思いもしない。
このプロジェクトは、他のプロジェクトとは違う。
動く資金も、倍以上。
莫大な予算を動かして、取り仕切らなければならない。
大きなプロジェクトであるが故に、他の部署とも手を組んでいる。
失敗は許されない。