社内恋愛のススメ



(な、何考えてるの!?)


みんなの前で、こんなことをして。

長友くんは、一体、何を考えてこんなことをしているのだろう。


その答えは、長友くん自身の口から語られた。



「でも、このプロジェクト、うちの企画部から1人だけだと………ちょっと厳しくないですか?」


長友くんがそう言って、私の肩をポンと叩く。



確かに、いくら人手が足りないからといって、専任の担当者が1人だけでは不安なのは本当だ。


これだけのプロジェクトを、長友くんが1人だけで抱え込むのは難しい。

いくら、長友くんが同期の中では期待されているとは言えども。


何となく、長友くんの考えが読めてきた。



「有沢も、一緒に担当に付けてもらえませんか?メインの担当は俺で、補佐的な役割を有沢に担ってもらいたいんです。」


予想通りの言葉が、長友くんの口から飛び出した。




(………。)


やっぱり。

嫌な予感、したんだよね。


長友くんが、私のことを無理矢理立たせた瞬間から。

何かやらかしてくれるんじゃないかって、思ってた。


期待を裏切らない行動を、長友くんは見事に起こしてくれた訳だ。



だけど、断れない。

断りたくない。


このプロジェクト、やってみたいんだ。

こんな大きなプロジェクトを、自分の手で成功へと導いてみたい。



他の人の手ではなく、自分の手で。

指をくわえて見ているだけなんて、そんなのは嫌だ。


成功した時に味わえる達成感は、どんなものなのだろう。

味わってみたい。



(それに、長友くんと一緒に仕事をしたい………。)


そりゃ、長い付き合いだから、何度も一緒に仕事をした経験はある。

それでも、長友くんと一緒に仕事が出来たらと願っている。


プライベートは抜けてる部分があるし、適当な男だと思うけど。


仕事面では、長友くんのこと、すごく尊敬してるから。



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