社内恋愛のススメ
「えっと、その………私って、そんなに主任に信頼………されてなかったんですね。」
苦し紛れに出た言葉は、自虐的な言葉。
よりによって、こんな時に言ってしまうなんて。
自爆している様なものだ。
口に出してから、そのことに気付く。
(もっと明るくなる様なこと、言えば良かった………。)
どうして、場を和ませる様なことの1つや2つ、言えなかったのだろう。
思い付かなかったのだろう。
そう思っても、後の祭り。
上条さんの表情が、ほろ苦いものへと変わっていく。
「別に、そういうつもりで言ったんじゃない………。君は、僕が育てたんだ。誰よりも、信頼している。」
上条さんの言葉に、ホッとして胸を撫で下ろす。
しかし、それと同時に、浮かび上がる疑問。
じゃあ、どうして。
どういうつもりで、あんなことをみんなの前で言ったの?
その疑問に答えようとする、上条さん。
「ただ、君が…………君と長友くんがあんまり親しそうにしていたから、つい………。」
上条さんはそう言って、俯いてしまう。
上条さんらしくない態度。
上条さんらしくない行動。
その意味は、何なのだろう。
(私と長友くんが親しそうにしていて、上条さんに何の関係があるの?)
そんなの、上条さんには関係ない。
何の関係もないはずだ。
私が、誰と親しくしていても。
私が、誰と何をしていようと。