社内恋愛のススメ
笑うか。
そう問われれば、答えはNOだ。
笑えない。
笑えないよ。
長友くんの気持ちが、痛いくらいに伝わるから。
長友くんのこと、笑える訳がない。
「笑わないよ。」
「ほんとに?」
「ほんと………だよ。」
どんなに語り尽くしても、足りない。
言葉を交わしても、足りない。
だから、足りない分は、触れ合うことで補っていく。
3度目のキスは深く、深く。
舌が絡まり、熱い吐息が漏れる。
柔らかい感触が、全身に伝わって。
それだけでも溶けそうなのに、求められるままにお互いの口内を侵す。
空気が欲しくて、開けた唇。
その隙間を狙って、長友くんの舌が私の口の中に忍び込む。
執拗に追い回す長友くんの舌に、私も夢中で答える。
「ん………、う………っ。」
酸素が足りない。
それなのに、キスを止められない。
あの長友くんと、キスをしているなんて。
こんな風にお互いを求め合うなんて、照れ臭い。
ほんの半日前までは、そんな関係ではなかったのに。
同僚として過ごした時間が長いからこそ、余計にそう思う。
恥ずかしくて、逃げたくなって。
逃げたいのに、体に力が入らない。
力が抜けてしまって、床にペタリと座り込んでしまう。
きっと、これは魔法。
キスの魔法。
長友くんとキスをする度に、魔法にかけられていく。
長友くんに夢中になる。
もっともっと夢中になる、そんな魔法にかけられていく。
「ごめん、もう………無理だ。」
「へ?何が………?」
「………っ、我慢出来ない。」
余裕をなくした長友くんの声に宿る、熱情。