社内恋愛のススメ



大切なのは、気持ち。


サイズじゃない。

金額でもない。



この指輪は、長友くんが選んでくれたもの。

私のことだけを考えて、私の為だけに選んでくれたもの。


だから、これがいい。

この指輪がいいの。



私のことを考えてくれる、長友くんの気持ちが嬉しい。

私を想って選んでくれた、その気持ちが宿る指輪だから。



「返せって。そんなんじゃ、格好悪いだろ。」

「嫌だって!この指輪、チェーンに通すから。」

「何、言って………。」

「チェーンに通せば、ずっと身に付けていられるでしょ。そ、そしたら………いつでも一緒にいる気分になる………し。」


ね、長友くん。

そう言ってみたら、長友くんの顔が一気に真っ赤に染まって面白かった。


負けないくらい、私も赤面していたのは言うまでもない。



「はぁ………。」

「な、何で、そこで溜め息つくの?」

「お前、意外と可愛いこと言うからさ………。」

「………!」


意外とって部分が、余計だけど。

一言、多いけれど。



「もう言わない、絶対………言わない!」

「うーそ、嘘だって。怒んなよ、有沢。」

「せっかく、素直に言ってみたのに!」


プーッと膨れて見せれば、長友くんが慌ててる。



「可愛いよ、有沢。」

「か、可愛いくなんかないもん。」

「お前は可愛いよ。………襲いたくなる。」



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