社内恋愛のススメ



襲いたくなる。


襲うってことは、再び体を重ねるということで。

昨日の夜の様に、また触れ合うということで。


想像しただけで、脳味噌が沸騰しそうだ。

考えただけで、頭がショートしそうになる。



「お、襲うって………時間考えてよ。今、朝だよ!明るいよ!!」

「時間なんて関係ない。」

「関係ある!」

「有沢が、可愛いこと言うのが悪い。可愛いこと言うから、また欲しくなるんだよ!」


冗談だと思っていたその言葉を、長友くんは見事に実行に移してくれた。








同僚として過ごしてきた時間には、知り得なかったことがたくさんある。

お互いに知らないことが、山ほどあるから。


だから、こうしてキスをする。

体を重ねて、求める。



言葉だけでは分からないことを、こうして知っていく。


何度目か分からないくらいに、キスをして。

覚えていられないほどに、キスをして。


たくさんたくさん、魔法をかけてよ。

永遠を信じさせてくれる、あなたの魔法を。




「長友くん、好きだよ。」

「俺も。」

「………んっ、長友くんっ………。」

「有沢、俺、ずっとお前とこうしたいって………願ってた。」


交わされる言葉が。

重なる体が、全てが溶けていく。



出勤前。

時間に余裕がないのは、承知してる。


それでも、私は長友くんのことを拒めなかった。

離したくなかったんだ。



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