社内恋愛のススメ



言葉だけでは足りないから。

この心の全てを伝えられないから、足りない部分を補う様に触れ合う。


気持ちを繋いでいく為に、とても大切なこと。



好きだよ。

おかしくなりそうなくらい、いつも長友くんのことばかり想ってる。


好きなの。

ほんとに、長友くんのことが大好きなの。



他には、何もいらないよ。


長友くんが隣にいてくれるだけでいい。

それだけで、私はこれからも頑張れる。


そんな気がする。



「返事、聞かせて。」

「返事って………?」

「そんなの、1つしかないじゃん。………分かんない?」


長友くんが切なげに問う、答え。



「プロポーズの返事、聞かせてよ?」


いつもは男らしい長友くんの、意外な一面。


たまに見せてくれる、その表情。

自信のなさそうな、そんな顔も愛しい。



もっと、自信を持てばいいのに。

愛されてるんだって、胸を張ってもいいのに。


私だけが知ってる、長友くんの秘密。

私の前でだけ見せてくれる、長友くんの別の顔。



「俺と結婚して下さい。」

「………はい。」








社内恋愛って、憧れる。

ドラマチックだと思うし、本の中の世界みたいに素敵に見えるから。



社内恋愛のいい部分。


いつでも、顔が見られるところ。

わざわざ会いに行かなくても、自然と顔を合わせることが出来ること。



逆に嫌な部分は、喧嘩をしても顔を合わせなければならないこと。

会いたくなくても、気まずくても、顔を合わせる羽目になってしまうこと。


険悪なムードだろうが、仕事はこっちの都合で待ってくれない。

自分の都合だけで、周りの人間を動かすことは出来ないから。



大変だけど。

嫌なこともたくさんあるけれど、こんな恋愛も素敵なのかもしれない。



< 433 / 464 >

この作品をシェア

pagetop