クレイジーサドくん。
「なんで逃げた?」
ぶっきらぼうに言い放つ彼からして先輩が不機嫌なんだと理解する。
『・・・・・・それは・・・』
先輩が昨日あんな事するから…。
壁のほうに追いやられてしまい後ろには壁、前には先輩。
逃げれないようにか壁に手を付き横には先輩の腕がのびている。
「はぁー…」
なんで先輩がため息なんかつくのか分からない。
ため息したいのは私のほうだよ…。
「“けんちゃん”に調教でもされちゃったかなー?」
意味深な単語に頭を傾げる。
『調教…?』
調教なんて、人間にするものじゃないしそれになんでけんちゃんなの…。
「さすが純粋なパウリちゃーん」
少しずつ近くなる彼の唇。
ほんと、わずかの距離で彼はこう口を開いた。
「俺が調教し直してあげる…俺の家に今日おいで…?」