16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
これで一人暮らしってバレたら完全に干されるんだろうな、私。

窓際の席に着き小さく自嘲気味に笑うと、窓の隙間から少し湿ったような風が流れ込んできて。

そっか、夏の前に梅雨があるもんね。

雨が降り続いている間は、まだこの世界にいられる――ううん、いなきゃ駄目なんだ。


早く、死ねたら楽。

だけど自ら命を絶つことが、どうしても出来ない私は、やっぱり弱い――……。





土曜日、診察を終えて帰路についていると。

駅前のファミレスに、盛り上がるクラスメートの姿を見つけた。

うん、よかった……私が雰囲気を悪くしたために、親睦会そのものが台無しになってしまわなくて。





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