16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
――ねぇ、名良橋君。



「んな訳ねぇだろ、ふざけんな名良橋!」

「いや、だってマジだもん。なぁ?」

「うん、あそ部だった」

「マジで?マジ、え、なんで名良橋が知ってんの」

「は、俺が知らないことがこの世にあると思ってんのか」



名良橋君が庇ってくれたことに、安堵した。

バスケ部だった、なんて言ったら、今はしないのとか言われちゃうし、授業とかでバスケになったら見学しにくいし。

名良橋君ってやっぱり、優しいね。



「じゃあお前答えてみろ、俺のマミーの名前を!」

「ノブ子だろ、知ってんだぞお前のマミー」

「なんで知ってんだよぉー!」



騒ぐ名良橋君と伊東君を見て笑っていると、高野君が「ねぇ」声を掛けてきた。

何だろう、と振り向くと、高野君はメロンパンをかじりながら悪戯に笑っている。





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