16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
部室の隅にボールバッグがあるので、そこから落ちたのだと思い思わずシュートするようにボールを投げてしまった。

――そこに、高野君がいるのに。

ボールは綺麗にボールバッグに収まり、部室に拍手が響いた。



「ナイシュー、早坂さん」

「あの……これは……」



どう言い訳をしようかと思考をフル回転で動かしていると、高野君は床に転がっていたボールを拾い上げ。

あろうことか、それを私に投げた。

山のようなボールなんかじゃなく、チェストパスで。

私は反射的にそのボールを取ってしまう。



「な、何す……っ」

「やっぱ早坂さん、バスケやってたよね?」

「……え」

「さっきのシュートといい、キャッチといい……バスケしてた人にしか見えねぇよ」





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