アウト オブ ザ ブルー
朝。
私は様子を見に来てくれた看護師に起こされて目を覚ました。
吐き気はおさまっていたが、しばらくご飯は食べられないということだった。
また少し眠ろうと思ったが、痛みが気になって仕方がなかった。
再び薬を入れてもらい横になっていると、カーテンの向こうからマサが現れた。
「おはよう…。具合はどう…?」
彼はベッドの脇にあった椅子にゆっくりと腰をかけた。
マサは今日から仕事に行くはずなのに、なんでまだ病院にいるのだろう。
「あんまりよくないけど…、学校はどうしたの?」
今日は辞令交付日だと言っていたのに、子どもが生まれたからとはいえ、のんきにこんなところにいていいのだろうか。
「ああ…、今日は学校休ませてもらうことにしたんだ」
「でも、今日は辞令をもらう日なんでしょ?私に気を遣わなくてもいいから、学校に行ったら?」
「いいんだ。辞令は後日受け取ることにしたから…」
心なしか、その声には力がなかった。