アウト オブ ザ ブルー

よく見ると、彼の格好は昨夜ここに来たときのままだった。



目も充血している感じがする。


「もしかしてマサ、きのう寝てないの…?」


マサは首を縦に振った。


「ずっと子どもを見てたんだ…」




そう言うマサの表情は、どことなく暗かった。




キーチの子どもが生まれたということで、やっぱり面白くないのだろうか。



…いや、マサに限ってそんなことはないはず。




マサならキーチの子も自分の本当の子どものようにかわいがってくれるはずだ。





ひとり頭の中で問答していると、マサが私の手を握って言った。


「ミッチ…、落ち着いて聞けよ…」




< 216 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop