アウト オブ ザ ブルー

その後私はまた実家に戻り、ひたすら家でぼーっとする日々を送っていた。








7月も少しすると深雪ちゃんから電話がかかってきて、


〈キーチに全部話して離婚してくれるよう頼んだんですけど…、やっぱりそう簡単には了承してもらえませんでした〉


とこぼされた。




当然だろう。


いきなりあんな話をされても、そう簡単に納得できる人はいないと思う。



それでも深雪ちゃんは、


〈親にも反対されたんですけど…、私、みんなの反対を押し切って市の母子寮に引っ越すことにしたんです。そこなら家賃も安くすむので…。落ち着いたらさっちゃんを保育園に預けて、私も働きに出ようと思ってるんですけど…、先輩、また何かあったら助けてくださいね〉


と電話の向こうで笑っていた。



切り替えが早いなあと感心しつつも、


キーチが今どんな思いでいるのか考えると、やっぱり心がしくしく痛んだ。
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