アウト オブ ザ ブルー
7月下旬のある夜。
急に友実から電話がかかってきた。
国交部のOBの間で、キーチがカナダへ旅立つ前に、彼の送別会をしてあげようという話が出ているらしい。
〈たぶん現役は現役でやるだろうから、卒業生も卒業生でやりたいねってことでさ。先輩に頼まれて、私がうちらの学年の出欠係になったんだ〉
「へー、それはご苦労様」
〈…で、今みんなに来れるかどうか確認取ってるんだけど、ミッチはもちろん出席だよね?〉
「…うーん、どうしようかなあ…」
〈何、出ないの?〉
「うーん…」
〈今キーチに会っとかないと、次に会ったときはもうあいつも醜いジジイになってるんじゃない?〉
「え?」
〈だって、キーチいつまたこっちに戻って来れるかわかんないって言うし、もしかすると生きて会えるのが今回で最後ってこともあるかもよ?〉
友実はふざけるように笑った。
それならそれで仕方ないとは思う。
「あ…、ねえ、マサは来るの?」