アウト オブ ザ ブルー

「コージさんは…?やっぱりニュージーランドに行っちゃうの?」


「ああ…。今、着々と準備を進めてるよ。この仕事ももうすぐやめるしね」


やっぱり深雪ちゃんを置いて向こうに行ってしまうのか…。



そうと思うと同時に、私はふとこぼしていた。




「互いに好き合ってるのに、どうして一緒にいられないのかなあ…」




私とキーチ、深雪ちゃんとコージさん、


それぞれ気持ちは同じはずなのに、どうして一緒にいられないんだろう…。




どうしてもわからない。


「まあ、大人になるといろんな事情が出てくるからな…。ただ好きな気持ちだけで、一緒にいられないこともあるわな」




コージさんは床にモップをかけながら言った。


「君はまだお子ちゃまだからわかんないかもしれないけど、俺は自分さえ良けりゃいいって人間じゃないしね…。自分で言うのもなんだけど」


彼は苦笑した。
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