始まりの予感


いつもふざけてばっかりで、真面目な部分なんて持ち合わせていないエイジ。


「返す、返すから────やめっ、ぶっ」


そう言われても、これまでにされて来た恨みつらみを晴らす為エイジの腰をくすぐる私の手は止まらない。


っていうか、あーあ。


ものすごいブサイクな姿で笑ってるよ。


目に涙まで浮かべちゃって。


なんだか、イジメるの楽しいかも!


なんてちょっと自分では認めたくない快感が開花しつつも、これからはこの方法で懲らしめてやろうなんて考えが頭を過ぎった。


「ばっ、おまっ、まっ」


もはや何を言っているのかわからない。


私から逃れるようにスルリと身体を交わされたけど、負けじと私もエイジの腰にしがみ付く。


「早く返して!」


笑いすぎて弱ったエイジの手は、少し下がって来ていた。

それでも私からすると十分高い場所にあり、手を伸ばしただけでは手紙まで届きそうにない。


もう一度足に力をため目一杯ジャンプする。


「もらったぁ」


予想通り手が届いて、私はホッと胸を撫で下ろした。



ところまでは良かったんだけど。


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