§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
シャワーを浴びて、着替えて
直に連れて行かれたのは…
誰もいない個展の会場だった…
「え…? いいの?
私、渡部さんの招待状持ってるから
それで見るよ…」
「いーのっ 咲和は特別」
会場の照明をつけ
ひとつひとつ、順に見ていく
素人の私が見ても、
人物と背景のバランスがものすごく調和してるのがわかる
納得いく写真を撮るまでに、どれだけの時間と労力を費やしたのかな…
誰もまだいない会場で
直と二人、無言で写真たちを見る…
大きなサイズから小さなサイズまで
100展以上はある写真パネル
飾ってある写真パネルの下に付箋が貼ってあり
そこに英語が書いてある
「直、これは?」
指を指して聞いてみる
「あ、それ、嬉しいことに
オレの写真欲しいって言ってくれてる人の名前」
付箋が付いていないのがないくらい
どの写真パネルにも付いてた
そして
最後…
柔らかなライトが当たるそのパネルを見て
思わず、口元を手で覆ってしまった
いつ、撮られたんだろう…
あの赤いケーキに私がキスをしてるところだった
そのタイトルをみれば
≪ Sweet Rouge ~ To the dearest S~ ≫
見た途端、涙が溢れた