§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
「……?」
んー…誰?
薄いピンクのナースの制服からスラリと伸びた手足
一目で艶のあるだろうとわかる黒髪は
纏められてナースキャップで隠されてて
目はパッチリした二重
唇は、今時の子
グロスが塗られツヤツヤしてる
私の顔を見る彼女をじっと見ながら
頭の中の記憶を呼び出してみるけど、
私には、こんな若くてキレイな後輩または友達はいない…
「あの…直くんの会社の方ですか?」
直くん…
あー、私でなくて桜井くんの知り合いかー
って、だったらなんで本人に声かけないのかな?
疑問符がついた顔を彼女に向け
「あー、まぁ…そのようなものですが…」
とりあえずは、そう応えた
「あの…不躾な質問ですが…」
私の顔を見て、言おうかどうか、数秒迷ったよう
けれど、息を吸い
「直くんの付き合ってる人って知ってらっしゃいますか?」
「は、はい??」
そんな質問が出てくるとは思いもよらず
目がテン状態だ…
とってもとっても唐突な質問をするのね、今時の子って!
「さ、さぁ…私はプライベートなコトは知りませんので…」
でも…すぐにわかったわょ
彼女は、桜井くんが好きなんだね
桜井くんってばっ
こんなトコに可愛くて想ってくれるコがいるじゃないっ!
私みたいな年上アラサー女、相手にしてちゃぁ勿体ないわ
「おい! 柚奈(ユナ)! 何してんだっ?」
外用薬とかかれた薬袋をかかえた桜井くんが
柚奈と呼ばれる彼女の後ろで険しい顔をしていた