§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
ふと、リビングの壁にかけてある
時計に目をやると
もうすぐ24時を回ろうとしていた
「あ!
私、もう戻らなきゃっ」
ソファーから立ち上がり
玄関の方へと向かおうとすると…
右手首を掴まれた
「…えっ?!」
っと思った瞬間
微かに柑橘系の香りのする桜井くんの胸元が
目の前にあった
「ちょっ、さ、桜井くんっ?!」
強くなく弱くなく
ちょうどいいくらいの強さで
抱きしめられている私
「オレ、せんせーのコト、本気だから…
今のカレシより、せんせーを幸せに
する自身あるし…」
桜井くんの腕の中から
抜け出すことは、いくらでも出来た
だけど…
なぜか、私の身体はそうしなかった
どうしてだろう…
「なんで…私なんかいいの?
桜井くんなら、もっとステキな女の子見つかるのに…」
頭一つ分以上は高いところにある
桜井くんの顔を見上げて言った
「せんせーじゃなきゃ、ダメなんだ…
どうしても…」
そういうと、ゆっくりと私の身体を離した
「せんせ、もう遅いから部屋まで送るよ
引き留めてごめんなさい」
私に向かい、深く頭をさげた