§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

この香りがする時
かつ乃先生は、商談や契約をまとめる勝負の時


いつだったか、先生と二人で飲みに行った時

”誰でも気合い入れたい時、あるでしょ、
私は、お気に入りの香水で自分を奮い立たせるの”

と、教えてくれた


こんな仕事をしてると
普段、香水なんてご法度だから。


そういうのって、ステキだなぁ…



カシャ、カシャ、カシャ


え…


「せんせー、今、何考えてたの?」


一眼レフのカメラを覗きながら
桜井くんが
私に言った


「い、いつの間に居たのっ?!」


「さっきからだょ、
かつ乃先生と入れ替わりで入ってきたのに
せんせ、全然気づかないんだもんなー」


喋りながら、シャッターを押す桜井くん


なんで、カメラマンの人は、
喋りながらそんなことできるのかしら…


「せんせー
教室でのせんせーのショットは
今までのでOK

今度は、普段のせんせーのショットが欲しいんだけどな」


「普段…? そんな写真までいるの?
グラビアアイドルじゃないんだし、
必要ないと思うんだけど…」


「せんせー、自分のコト知らな過ぎ!!
このDVD付料理本
渡部さんによると、すんげ予約入ってンだよっ

せんせー、隠れ有名人になってるって
自覚ある?!」


か、隠れ有名人…?!


「ナイ、有り得ないって、そんなの…」


「とにかく、普段のショットがないと
渡部さんにもかつ乃先生にも
怒られちまうから!

明日の日曜
オレと出かけるからね!
9時に部屋迎えいくから
ちゃんと準備しといてよ!」


そう言って
桜井くんは、事務所を出ていった


そ、そんな勝手に…

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