§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「咲和、
オレ、星川さんに咲和とのことすぐにでも言いたい

どうして、ダメなんだ?」


2人のアパートへの帰る途中の曲がり道、
立ち止まって、直が言う


「うん…
もう少しだけ時間くれる?もう少しだけ…」


直の顔を見上げ、お願いする


「オレは、できるだけ早い方がいいんだけど…」


「うん…私も同じ気持ち…でも、あと少しだけ…」


絡めた手をギュッと握る


「咲和がそういうなら、もう少しだけ待つよ」

直は
優しい瞳を向けてくれる


「ありがとう…」


背伸びをして、直の頬に唇を付けた


「どうせなら、口が良かったなぁ…」


「え…?
だって、さっき、散々…」


先ほどの直との甘い時間を思い出してしまい
頬が熱くなる


「なーに赤くなってンの? 
そんな顔したら、またシたくなるだろ?

ちゃんと、いつもの咲和せんせーに戻って」


私の頬を撫でて落ち着かせてくれる


「うん…
じゃぁ、行くね おやすみなさい」


先に、私がアパートへと向かった


振り向くと、直が手を振ってくれてる


頷いて、また前を見て進んだ



直…


こんな私を好きでいてくれてありがとうね…


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