年下の幼なじみ【短編】
廊下の先を行く優ちゃんの背中は、細いのに筋肉質で、長めの手足とのバランスが良い。


小学生の頃水泳をやっていたから、無駄がないのかな。


中学に入ってバスケットを始めたことで身長も伸びたんだ。



顔だって格好いいし、多分モテる。





リビングに着くと、私はソファーに座り、優ちゃんは立ったままTシャツに袖を通した。




「で、あや、何の用?」


「あ、そうだ。お母さんからコレ。」




私はビニール袋に入れていた煮物入りのタッパーを取り出した。



優ちゃんはそれを手に取り、隣に座った。




「なんだ。俺に会いに来たのかと思った。」




耳に優ちゃんの息がかかって、すごく熱い。




なんだろう、この感じ。





中2なのに、優ちゃんは大人っぽく見える。




「今日は届けに来ただけだよ?」






そう言って私、立ち上がろうとしたんだ。



その時、




「あっ//」





手首を掴んだ優ちゃんが、私を引っ張ったんだ。



バランスを崩した私は、見事に優ちゃんの膝の上。





「あや、俺に独りで食べろって言うの?そんな冷たい子だっけ?」

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