密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
「鮫島先輩、すみません。またミスっちゃいました」
「もうそろそろちゃんとしようね。いつまでも新入社員じゃないんだから」
いつも真っ直ぐな瞳でこっちを見るから怒れずに私の方から視線を逸らす。
なにか私の心の奥底にあるリアルを見抜かれていそうで、ちょっぴり、しっとり恥ずかしくなるのだ。
取引先を出ると、吉沢くんが、なついた子犬のように身を寄せてきた。
「せんぱーい、お腹空きました」
時計を見ると十二時過ぎ。会社に戻ってから社食で済まそうと思っていたけど、まあ仕方ない。
昼食は午後のエネルギー源。