密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~

「若い女性は銀座より渋谷とか原宿の方がよかったかな?」

 低音で響く声に年甲斐もなく乙女のようにキュンとした。

「私、そんな若くないですよ」

「いやー、若いですよ。原宿を歩いてたらスカウトされそう。僕なら間違いなくスカウトするなあ」

 そう言われて更にキュンとした。やっぱりこれはラズベリーのような青春の恋。

「話してて可愛い女性だとは思っていたけど、こんなべっぴんさんだったとは。正直、驚いたな」

「カトウさんだってお若いですよ。素敵です」

 私は本心でそう思っていた。カトウさんは優しくて思い遣りのある素敵な人。



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