密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 自らを変えるために、昼間はスポーツジムに通い、プールで歩いたり、ランニングマシンやエアロバイクで汗を流した。

 ぜいぜい、はあはあ、ばくばく、軽い呼吸困難。

 動かないでいるとこんなにも体力が衰えるんだ、と思い知った。中学、高校と陸上部で、長距離を得意としていたのに。

 ちなみに、亮も陸上部だった。

 グラウンドを一緒に走っていた頃の爽やかな気持ちと夕焼け。そんな記憶がジャージの色や制汗剤の匂いを懐かしく蘇らせた。

 部活の後、学校の側にあるパン屋さんで亮とラムネを飲みながら焼きそばパンを食べるのが楽しみだった。




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