Love the love.


 その時も冬で、いつもみたいにこたつに入っていて、テルは隣の部屋で既に寝ていた。夜の11時くらいで、俺と姉ちゃんはお風呂上りのビールを飲みながら、見るともなしにテレビを見ていたのだ。

 バイトがない前日は、学校には内緒よって言って、一本だけビールを飲むのを許してくれた。その夜はそんな日で、二人でビールを飲んでいたんだった。

「あんたにも、そのうちわかるわ、ハル」

「何が?」

 ほろ酔いの顔を緩めて、姉ちゃんはふふふと笑う。いきなり声をかけられて、俺はマヌケな顔をして聞き返したんだ。

「誰かを好きになって、それで十分ってことがあるのよ」

「何、急に・・・」

「テルの父親ね」

 ビールの缶を、コンコンと、こたつのテーブルで打っていた。

 結婚出来ない理由のある人だった。でも彼と素敵な時間を過ごしたし、彼は、しかも―――――――

「私に、息子をくれたのよ!」

 そう言うと、本当に嬉しそうな顔をした。目を細めて、頬を染めて。

 俺は慌てて身を乗り出した。何てった!?と思って。

「ね、姉ちゃん、それって不倫してたってこと!?」

 だって、結婚出来ない理由って、他には考えつかない。でも、俺の痛い想像は違うかったようだけど。姉ちゃんはキョトンとしてから笑ったから。


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