Love the love.
「あ、違う違う。彼も独身の人だったよ。そういう意味じゃないのよ、結婚出来ない人だったってのは」
「・・・じゃあ、何で?」
うふふ、と姉ちゃんはまた笑った。そしてビールを飲んで、ゆっくりと言った。
「それは、秘密」
「何だよ~、じゃあ結局判らないじゃん」
俺が膨れると、大事なのはね、と姉ちゃんは言ったのだ。
「ハルと、テルと、私は今で十分楽しいってこと。だから、いいのよ」
「・・・一緒にいられなくても?だって、その男が好きだったんだろ?」
俺は判らなくて、それがもどかしくて聞いた。誰かを好きになったら、その人と一緒にいたいものじゃないのかって、そう思って。
「今でも好きよ!」
姉ちゃんは目を見開いて言った。そのあと、でも、と続ける。
「生活するのには必要ないわね。今は、私は3人で過ごす毎日で満ち足りているの」
「・・・判らねーよ、そんなの・・・」
一度ちらりとテレビを見て、興味なさそうな顔をした。そのままで姉ちゃんは言う。
「多分、他の人から見たら、幼稚で単純で、下らないって言われるかもしれない恋だった。だけどいいのよ。私にとっては大事だったの。素敵で、毎日ワクワクする恋をしたんだって大声で自慢したいくらい」
それから俺と目を合わせてまた言ったのだ。
その内きっと、ハルにも判るわ。