Love the love.


 それからほどなく姉ちゃんは死んでしまって、結局テルの父親については俺は何も知らないままだった。

 その時俺は大学生で、いきなり全部が自分の背中に降りかかってきたことに困惑していたのだ。まだ高校生のテルと生きていかなくちゃならなかった。

 好きな女の子は出来たし、彼女たちからも好きになって貰える。だけども、姉ちゃんがいうようなのは未だに判らない。


 誰かを好きになって、それで十分―――――――――・・・


 そんな恋愛、本当にあるんだろうか。

 だって、女の子達はいつでも一番を望んでいるじゃないか。

 俺が自分だけのものにならないって焦って悲しんでいる。

 テルを大事に思う俺を、そのまま丸ごと受け入れるキャパのある子なんていなかった。

 

 ポケットから鍵を出して久しぶりの自宅のドアを開けた。

 ムッとした空気が流れ出るのに顔を顰めて、そのまま窓へ直行する。

 もう夜だけど、構わない。明りをつけずにいればそれでいいんだし。

 変な時間に大量のイタ飯を食べたから、今晩はもう食べなくても大丈夫そうだし。テルの部屋のと変わらない中身の冷蔵庫をあけてすぐに閉めた。

 ベッドに寝転んで、ケータイを確認する。

 ・・・やっぱり。今日別れてきた子からの着信5件、それと――――――――――

「・・・滝本さん?」


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