Love the love.


 だけどテルは、俺に気付くとシレっとした顔で言うんだ。

 ああ、ハル、いたのって。

 そして普通の顔で見上げて、どうしたの、そんな顔してって言う。あー、腹減ったって。今晩のご飯、どうする?って。

 いつでも自分で淡々と対処している。

 判ってる、この子は弱くない。大丈夫なんだって、判ってる。大事なことは相談してくるし、それ以外はいつだって自力で何とかしている。

 判ってるんだ――――――――――――

『あ、そうだハル』

 電話の向こうでテルが言った。

「ん?」

『オレ、ちょっとまた旅行いくから。明後日からしばらく留守にするから来てもいないよん』

「取材か?どこ行くの」

『決めてない。昨日久しぶりに外出て、小銭があったからスクラッチしたんだよ。そしたらオレってばすげーぞ、3万当たった~』

 おお、それは凄い。200円で3万?それはデカイな~!ここ一年くらいの運を全部使っちまったんだな~。

「優しい叔父に還元はないわけ?」

 一応聞いてみたけど、愛想のない甥は電話を切ることで返答した。

 つー・つー・と切れた携帯を切って、月を見上げる。

 ・・・ほらな、テルは大丈夫だ。

 ふらふらとしているようで、ちゃんと自分の足で歩いている。


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