Love the love.
それが、俺には大事なことだ。
だって自由がないと、すぐに飛んでいってやれないんだから。
困ったことが起きると、決まって空を見上げて佇むテルの元へ。
今まで付き合った女の子は最後になると必ず聞いた。「テル君と私のどっちが・・・」その後に続く言葉は女の子によって違ったけど、それでも必ずテルとの比較をしたがる。
神谷春嵩というこの人間の中で、優先順位の一番トップはいつでも甥の広輝がいるのだ。それは彼女達は付き合って数ヶ月ですぐに気付く。でもそれを受け入れることの出来る女の子はまだいない。
ちなみに、それをテル本人が聞くと仰け反って嫌がるに違いない。だけどもそうなんだから仕方ねーよな。俺の関心のトップはテル。
あーあ、今晩、どうしよっかな~・・・・。
自分の部屋は一応ある。一応ってのは、ほとんど住んでいないのでガランとした部屋で、居心地がよくないのだ。付き合っている時は女の子の部屋にいることが多い。だからあまり帰らない。
女の子の部屋は、いい匂いがする。
そして柔らかいものや優しい色合いのものが多い。
それはとても安心する。
それこそ今は別々に住んでいるテルのところに転がり込めばいいのだけど、そうするとまたアイツは、あの童顔を嫌そうに歪めて吐き捨てるに違いないしな。
『出てけ、ハル』って。
絶対言う。
『女に振られたからって一々ウチにくんな』って。
ぜーったい、言うよな。